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なぜ親になるとちゃれんじの販促マンガが心に刺さるのか

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子どもを産んだら、ベネッセから「こどもちゃれんじ」のDMが大量に届くようになりました。
無料プレゼントとかキャンペーンとか目白押しなので、つい個人情報を渡して応募してしまったんですよね…(笑)
赤ちゃん連れって、ほんとリアルでもネットでも、あらゆるモノを売りつけようと虎視眈々と狙われる存在です。

で、ベネッセの通信教育(幼児向けは「こどもちゃれんじ」、小学生以降は「進研ゼミ」)といえば、昔からDMに販促マンガを同封していることで有名です。
私が子どもの頃にも、実家にはしょっちゅう進研ゼミのDMが届いていました。子ども目線で見ても「いやいやいや…」と突っ込みたくなるストーリーのマンガが必ずついていたものです。

突っ込みつつも、なんだかんだ私も開封して読んでいたわけですから、とても効果的なマーケティング手法なのでしょうね。
ただ、私自身は少なくともあのマンガを見て「入りたい」とまで心を動かされたことはなかったと記憶しています。

ところが、子どもを産んで自分が親側の立場になってみると、一転。「こどもちゃれんじ」のDMを受け取ったとき、全く同じような販促マンガなのに、予想外に私の心は揺さぶられました。

「入ってみてもいいかな…月2000円だし…おもちゃも絵本もついてくるし…」と本気で考えてはじめてしまったのです。中学生の頃に読んでいた「進研ゼミ」のマンガと何が違うというのでしょうか?

中学生向けでもママ向けでも手法は同じ

中学生向けの進研ゼミの販促マンガは、おおむね下記のような(荒唐無稽な?)ストーリーでした。

①私は中学2年生の女の子。最近、部活もテストもあんまり上手くいってないんだ…。
②同じ部活の○○ちゃんは、最近調子よさそうで、成績も上がっているみたい。えっ、進研ゼミをしているからなの?
③私も進研ゼミをやってみたい! お母さんやらせて!
④このテストの問題、進研ゼミでやったところだ!
⑤おかげで成績アップ、さらに部活のレギュラーに! 気になっている××くんにほめられちゃった!

こうした販促マンガ広告の効果は、これだけ長く続いていることからも明らかでしょう。
中学生本人をターゲットにして、感情的に訴えかけてその気にさせるものです。
(子どもの口から「これで勉強したい」と言わせてしまえば、決裁権者である親は陥落させたも同然でしょう。)

最近私が受け取った「こどもちゃれんじ」のDMにも、まぁ、ざっくり言って同じようなストーリーのマンガが封入されていました。
(ただし、乳児向けなので、マンガのターゲットは子どもではなく親(ママ)になっています。)

①娘の○○ちゃんももう3カ月。検診で、これからはたくさん遊んであげるように言われたけれど、どうすればいいのかな…。
②こどもちゃれんじって、広告でよく見かけるわ。へぇ、赤ちゃんがこんなふうに笑って遊んでくれるのね。
③○○ちゃんにちゃれんじをやらせてあげたい!
④ちゃれんじなら月齢に合わせた絵本やおもちゃを送ってくれるから安心ね!
⑤1歳になった○○ちゃん、いつもニコニコ元気に育っているね! ちゃれんじに助けてもらったおかげかな!

現在の不安(+潜在的な欲望)を提示しておいて、ベネッセのサービスを購読すればその問題は解決されますよ!(+人生もなんだかんだ上手くいきますよ!)という構図ですよね。

しかし、中学生向け進研ゼミの「③私も進研ゼミをやってみたい!」って、少なくとも私の場合はそこまで教官を覚えていませんでした。
でも…。ママ向けのこどもちゃれんじの「③○○ちゃんにちゃれんじをやらせてあげたい!」は、すごく強烈に感じたんです。

マーケティングで売られる「ストーリー」が効く理由

こうしたストーリーを語る広告では、モノやサービスそのものではなく、それを買ったことで「なれる自分」「送れる生活」というイメージ、夢を提示しています。

このとき、モノやサービスから得られるベネフィット以上の壮大なストーリーが描かれることも多々あるでしょう。極端な例になると、「パワーストーンを買ったら美女とクルマと札束風呂を手に入れたぜ!」みたいな広告になるわけです。

近年は何の広告にしてもそういう側面が強いのだと思いますが、最近だと、電車やテレビでよく見かけるPanasonicの家電の広告も同じ手法だよなぁ、と感じます。
女性(子持ちの主婦)をメインターゲットとした広告で、「高機能な冷蔵庫」を手に入れた家族の日常が示されます。ある休日の昼下がり、家族で食材の買い出しに出かける。イケメンかつイクメンの夫は、冷蔵庫に食材をしまったら、妻と一緒に料理をしてくれる。子どもたちは豪華な夕飯に大喜び。さらに、この冷蔵庫は、なんと肉も刺身も冷蔵で1週間保つという優れモノ。だから、翌日には先に仕事から帰宅した夫が夕食を用意して待っていてくれる…。

この手の広告、すごく効く人とそうでもない人がいると思います。
私は自分のことに関してであれば、おそらくあまり効かないタイプの人間です。

進研ゼミのDMには「そんなに簡単に成績が上がるわけない」と思い、Panasonicの広告に対しては、「冷蔵庫を変えたくらいで休日の過ごし方は変わらない。(まして夫が突如イケメンになったりはしない)」という反発が先に立ってしまうからです。

しかし、この反発は単なる感情的な反応であって、「このサービスを買えばあなたの人生は好転しますよ」というのは、ときに真理でもあるんですよね。

実際、家電を買うことで家事のハードルが下がり、夫が家事を手伝ってくれるようになる可能性は多分にあるでしょう。
たとえば私は、独身時代、Panasonicの食器洗浄機を購入してから自炊率が驚異的に上がりました。食器洗いが楽になったからです。同じように、最新の冷蔵庫で生鮮食品の管理が楽になれば、夫の家事参加率が爆上がりする可能性はないとはいえません。

「サービスを手に入れたから」「環境が変わり」「人の行動も変わり」「人生が本当に変わる」可能性はたぶんにある。

こうした広告に魅せられる人は、これを買うことで自分(や家族)の行動が変わり、ひいては人生も変わるだろうと素直に期待することができるタイプの人なのだと思います。
一方で、この手のストーリー広告が苦手な人たちは、自分の人生に強い自負(プライド?)があって、それをおぜん立てされる、お仕着せで与えられることに反発心、嫌悪感を抱くのではないかと思うのです。

サービス提供者から与えられるのは、あくまでも「サービス」とその結果得られる「環境」まででしかない。その結果の「行動」、そして「自分の人生」というストーリーは、自分自身が構築するものであって、押し付けられるのは嫌だ。そういう気持ちがあるから、反発心が生まれるのではないでしょうか。

もちろん、これは二元論ではなく、多くの人の心の中には「これで変わるかも」という期待と、「変わるのは自分自身の問題だ」という反発がグラデーションであるのだと思いますが。

行動の変化につなげられるか?を自答しよう

しかし、こうしたストーリー広告に反発ばかりを感じる私にも、赤ちゃん用品に関する広告となると一転して、ストーリーが心にぶっ刺さってくるのです。

それはなぜか。おそらく、対象者が自分ではなく、他者である自分の子どもだからです。

自分自身のストーリーは自分で構築できますが、子どものストーリーは私が代わりに構築してやることはできません。

しかし実際のところは、子どもが赤ちゃんのうちは親が代わりに意思決定をするしかありません。私の子どもにはまだ自我と呼べるものがなく、行動にも人生にも指針がありません。親である私が代わりに指針を立てるしかないのです。しかし、それが押し付けになってしまうのではないかという恐れも、私は強く抱えています。

私はまだ「自分以外の人生の決裁権者になる」ことに慣れていないのです。

だから、サービス提供者からおぜん立てで与えられる「子どものストーリー」を、素直に全て受け入れたくなるのだと感じました。

でも、当然ながら、全てを受け入れて購入していたら(金銭的にも)きりがありません。
少なくとも、「子どもが幸せになる」というストーリーは、単一の「サービスを手に入れたから」得られるものではなく、それによって「家庭環境が変わり」「親と子の行動も変わる」までつながってこそ、初めて意味がある、「子どもの人生も変わる」ものであるはずです。そこまで親が取り組めそうだ、心がけられそうだと自信があるものだけを、選ぶようにしていかないと、モノやサービスに溺れてしまいそうです。

方々から与えらえる「これを買えば子どもが幸せになれますよ」というストーリーを、のべつ幕なしに子どもに与えてやるべきだという強迫観念にかられますが、最終的には、子どものストーリーは子ども自身が構築していくしかありません。
その力をつけさせていくことが「子育て」なのでしょうが、子育て初心者にはとても高いハードルに感じます…。

そんなこんなで、こどもちゃれんじは、とりあえずまだいいかな。と思った子育て初心者でした。

余談:Panasonicの冷蔵庫は優秀

あのPanasonicが広告を出しまくっている冷蔵庫、肉も刺身も冷蔵庫で1週間保存できると謳っていて、さすがに嘘だ!と思っていたのですが、決して眉唾ではないと後から知りました。「パーシャル」機能で、肉や刺身が凍らないギリギリの低温に保ってくれるから、1週間保つし、冷凍と違って冷蔵品のように扱えるらしいのです。何それめっちゃ欲しい…!!

フンワリしたイメージやストーリーを提示されるよりも、その「パーシャル」機能を説明してくれた方がよっぽど購買意欲が湧くのに、と思わずにはいられない高性能さでした。







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